第三セクター鉄道・錦川清流線は、毎年、岩国市が1億円前後を負担。そのため錦川清流線の今後の在り方を検討中。

これまでに①「現状維持」②「上下分離方式による存続」③「全部を廃線し、バス転換」④「一部を廃線とし、バス転換」の4案が提示されており、岩国市の負担が最も少なくなるのが②「上下分離方式による存続」だそうです。
③④のバス便転換は論外でしょう。鉄道がなくなる街は加速度的に衰退します。
最も現実的なのが岩国市の負担が最も少なくなる「上下分離方式」で鉄道を存続させる②案でしょうが、①「現状維持」も視野に入れて良いと思います。
岩国市には幸いにも錦川に架かる有名観光地の錦帯橋があります。私は何度か錦帯橋や岩国城を訪れていますが世界遺産に推薦出来るのでは?と思うほど風光明媚な場所。岩国のシロヘビも有名ですね。
岩国城から一望する錦帯橋と錦川は素晴らしい景観ですよ。
2024年の訪日観光客は3686万人で過去最多更新を更新。日本政府は2030年に「訪日外国人客6000万人、訪日消費額15兆円」の目標を掲げているので、東京・大阪・京都などに集中しているインバウンド観光客は、今後、地方観光地に拡散していくことが予想されます。
錦川清流線の沿線は、桜や紅葉も美しいと聞きます。インバウンド観光客を呼び込むにはぴったりな鉄道ではないでしょうか。また岩国市には世界的に有名な日本酒「獺祭」がありますから、うまくリンクさせることでシナジー効果が見込まれます。
岩国市は、錦川清流線をお荷物と考えず、市の財産であると再認識すべき。実際、取り組み次第で大きな成果が期待できると思います。錦川清流線はポテンシャルの高い鉄道だと思いますよ。
また新幹線停車駅である「新岩国駅」と錦川清流線「清流新岩国駅」が徒歩圏で結ばれていることは、もっとアピールすべきですね。わずか300メートル、徒歩5〜7分ほどで乗り換え出来ます。東京駅に例えると京葉線に乗り換えるより短い距離だと思います。
新幹線の駅から錦川清流線の駅に乗り換え出来ることはほとんど知られてないと思うので、認知度が上がれば、新岩国駅から錦川清流線に乗車したいと思う人を掘り起こすことが出来るはずです。
岩国市には、今後、錦川清流線の乗車数を増やすイベントなども積極的に行い、ぜひ市の財産を生かす努力をしてほしいですね。
参考までに去年、下関市・長門市ほか山陰線沿線自治体は山陰線を盛り上げるため「マッスルトレイン」というイベントを行い即日完売でした。

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黒字化は期待できず…上下分離方式が最も市の負担額が少なくなる見通し・第三セクター鉄道・錦川清流線(山口・岩国市)(1月31日)

第三セクター鉄道・錦川清流線の今後の在り方を検討している岩国市は、報告書の素案を示しました。4つの案のうち上下分離方式が最も市の負担額が少なくなる見通しとしています。
岩国市中心部と錦町を結ぶ錦川清流線は利用者数が減少し、毎年1億円前後の赤字を岩国市が負担しています。市は昨年度から清流線の今後の在り方を検討していて、これまでに・現状維持、・上下分離方式による存続、・全部を廃線し、バス転換・一部を廃線とし、バス転換の4つの案を示しています。
岩国市は31日、検討報告書の素案を専門家でつくる会議に示しました。4つの案について今後10年間の収支と、それに伴う市の負担額を計算。具体的な額は「数値が確定していない」として非公表とされましたが、「いずれの案を選んでも黒字化は期待できず、運行を続けるには市の負担が不可欠」としています。
また4案のうち「上下分離方式」が最も市の負担額が少なく、逆に「一部バス転換」が最も負担額が大きくなる見通しということです。
(岩国市交通政策課・秋友康伸 課長)
「シミュレーションによる市の実質負担額という定量的な視点と、利便性などメリット・デメリットの定性的な視点の両視点から検討していきたい」
市は新年度以降、4つの案から1つに絞る方針です。(引用:KRY山口放送)